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ノアの箱舟② 箱舟に入りなさい

創世記7章
1 主はノアに言われた。「あなたとあなたの全家は、箱舟に入りなさい。この世代の中にあって、あなたがわたしの前に正しいことが分かったからである。

先週のメッセージで、ノアの箱舟の大きさについて触れませんでした。今日、その形状について見てみましょう。
キュビトを今のメートル法で表現すると、長さが約132mになります。幅が約22m、高さが約13.2mになります。まるで石油タンカーのような形です。これを比率に直すと、30:5:3という比率になるそうです。

なんとこの比率は、現代の近代船舶を設計するときの黄金比率にあてはまるそうです。神様が命じられた長さ、幅、高さに間違いがなかったということがわかります。

神様は、この形状の大型の舟を作れと命じました。当時の最先端の技術が組み込まれたと思います。といっても、材料はすべて木材で作りました。木材を平らに切断するする技術があったのでしょうか。

BC1500年ごろの古代バビロニアの都市から黒曜石からできた鋸が多く発見されているようです。ノアの時代は、さらに1500年ほどさかのぼりますので、鉄製のノコギリもないわけです。平らな材木1枚仕上げるのに、想像を絶する時間と労力がかかったと思われます。一枚の材木を何枚も何枚も削った後、これを組み合わせて船の底を作り、そして壁を作り、そして2階を作り、3階を作り、天井を作りました。
このノアの箱舟の製作にどれくらいの時間がかかったのでしょうか。どれくらいの労力が必要だったのでしょうか。

創世記5章32節に次ように書いてあります。
5:32 ノアは五百歳になった。そしてノアはセム、ハム、ヤフェテを生んだ。

そして7章11節には
7:11 ノアの生涯の六百年目の第二の月の十七日、その日に、大いなる淵の源がことごとく裂け、天の水門が開かれた。
とあります。

ノアの子どもたちが生まれてから大洪水が起こるまで100年の期間があることがわかります。神様はノアに箱舟を作りなさいと命じて約束をします。

当時の工作機械や重機もない時代、人力だけで作ったことを考えると、これくらいの年月を要したことは十分考えられます。莫大な予算もかかったと思います。このことは聖書には出てきません。しかし、その裏には、神様の超自然的な養いと富の提供があったと想像します。神様の助けを受けて箱舟がやっと完成します。

7章の8節と9節を見てみましょう。
8 きよい動物、きよくない動物、鳥、地面を這うすべてのものの中から、
9 雄と雌がつがいになって箱舟の中のノアのところにやって来た。神がノアに命じられたとおりであった。

ここに、動物たちがノアのところにやって来たと記されています。ノアが動物たちを集めにいったわけではないのです。ノアが選んだのではなく、神様が選びました。そして箱舟に入るように命じたのです。その動物たちは、神様の命令をちゃんと聞いて従いました。遠い旅をしてノアの箱舟のあるところにたどり着いたのです。神様からの知恵が与えられました。

ノアとその家族は、この長い期間、周りの人々とどのように接してきたのでしょうか。
ペテロの手紙第二を見てみましょう。
2:5 また、かつての世界を放置せず、不敬虔な者たちの世界に洪水をもたらし、義を宣べ
伝えたノアたち八人を保護されました。

ノアたち8人は義を宣べ伝えたと記されています。彼らはその時代の人々から隔絶されて、孤立して存在していなかったことがわかります。義を宣べ伝えていたのです。彼らの悪い行いについて、このままでは滅びてしまうということを警告していたのです。そして、「もうまもなく大洪水がやってくるぞ。神様の前に悔い改めて救いを受けなさい」と伝えていたと信じます。

耳を傾けることのできる人々、ノアに雇われて人夫として働いていた人たちも毎日のようにノアの話すことを聞いていたと思います。

それに対して、人々の反応はどうだったでしょうか。
「俺達は、あんたがお金を払ってくれるからこうやって来てあげているけれど、こんな山の上に船をつくるなんて、どうかしてるぜ。あんた、頭は正気かい。船はだいたい海の近くにつくるもんだぜ」そんな言葉で返していたと想像します。だれもノアの言うことをまともに聞いていませんでした。箱舟は大量の木材を必要としていました。ですから山の近くで建造されたと思われます。

最終的にどうなったのでしょうか。
16節を見てみましょう。
15 こうして、いのちの息のあるすべての肉なるものが、二匹ずつノアのいる箱舟の中に入った。
入ったものは、すべての肉なるものの雄と雌であった。それらは、神がノアに命じられたとおりに入った。それから、主は彼のうしろの戸を閉ざされた。

この最後の言葉は衝撃的ですね。主は彼の後ろの戸を閉ざされたと記されています。神様が最後の扉を閉ざされました。ノアではなかったのです。その扉はもう開きませんでした。だから主が彼の後ろの戸を閉じたと書かれているわけです。

もし、自由にノアが開け閉めできたとしたら、ノアは閉じたままにはできなかったと思います。大洪水がやって来たときに、人々の声が響いたと思います。

「ドンドンドン。ノアよ。俺たちが間違っていた。こんな大洪水がやって来るとは思ってもみなかったんだ。どうか頼むから助けてくれー。開けてくれー」そんな叫び声がずっとずっと聞こえていたと思います。

これを聞いたノアは、開けずにはいられなかったと思います。これが人情ですね。その声の持ち主として、自分と血のつながりのある親戚の人々もいたと思います。息子の嫁たちの親族もいたと思います。なんとか助けてあげたいと思ったと思います。でも神様の定めた時には間に合わなかったということです。

どのようにこのような洪水となる大量の水があふれたのでしょうか。11節を見てみましょう。
11 ノアの生涯の六百年目の第二の月の十七日、その日に、大いなる淵の源がことごとく裂け、天の水門が開かれた。

2種類の増水の仕方が記されています。一つは大いなる淵の源です。これは、地下から噴き出してきた水ということができます。地球規模の近く変動が起きて、その裂け目から大量の水が噴き出してきたということです。

2つ目は、天の水門と記されています。創世記1章6節を見てみましょう。
1:6 神は仰せられた。「大空よ、水の真っただ中にあれ。水と水の間を分けるものとなれ。」

この箇所をそのまま読むと、天の上に水の満ちた領域があったということになります。今の時代では、想像しがたいですが、ノアの時代には、水を大量に含んだ領域が天にもあったということです。これは雲とも違います。天全体をおおっていたということだと思います。その水が大量に降りてきたということです。なんと40日40夜降り続きました。

最近、線状降水帯という土砂降り状態の危険な雨の降り方がよく話題になります。これが1晩起きた場合でも、大変な被害が出るわけです。今年も日本のあちこちで被害が出ました。これがノアの時代には、40日40夜降り続いたわけです。しかも、全地球的に降りました。一か所だけでなく地球規模で起きたのです。

これだけの水が地上に溢れました。
どこまであふれたのでしょうか。19節を見てみましょう。
19 水は地の上にますますみなぎり、天の下にある高い山々もすべておおわれた。
天の下にあるどの高い山もおおわれたと記されています。世界一高い山は、どの山でしょうか。現在、エベレスト(ヒマラヤ)の8,848mです。当時どれくらいの高さがあったのかはわかりませんが、どんなに高い山々も水がおおったのです。

こんな大量に水があふれた場合、この大量の水はいったいどこにいってしまったのかと疑問に思う人もいると思います。

地球の海の面積は全体の何パーセントでしょうか。約70%だと言われています。残りの30%が地上の部分です。ある研究者が次の計算をしました。地上のすべてのでこぼこした部分を平らにして、海の深いところに埋めたらどうなるか。すると、この世界はすべてが-2300mも深い海の中に沈むそうです。結局、神様が水があふれて来るのを止めてあと、その水は一部は海として残っていると考えることができます。降った雨、あふれて来た水は海としてに残っているといってもおかしくありません。

このようにして、水中で生きる動物以外はすべて生き残ることができませんでした。

やがて今から来る終わりの時は、ちょうど同じようになると聖書は記しています。終わりの時は、洪水ではありません。聖書の預言では、大患難の時代がくると預言されています。ですから今が重要です。まだ、信じることができるからです。教会に行くと福音を聞くことができます。イエス様の十字架の意味を知ることができます。そしてその流された血の意味を知ることができます。そしてイエス様を信じて救いを受け取ることができます。今はまだ恵みの時だからです。

コリント人への手紙第二6章2節を開きましょう。
6:2 神は言われます。「恵みの時に、わたしはあなたに答え、救いの日に、あなたを助ける。」見よ、今は恵みの時、今は救いの日です。

もしあなたが、イエスキリストの救いを受けたいと願うなら、今がチャンスです。

  

 

  

 

 

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